ワインは1日2 / 3本

勉強を人一倍頑張っている(と自負している)イタリア帰りの理系大学院生が、日々の勉強・読書・お酒について綴っています

バランスを取りながら

 

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パソコンと何時間も向かい合って、今日もやっとのことでオフィスを出ました。

仕事に新鮮さを感じることもめっきりなくなって、最近はプログラミングをしながら、頭ではぼんやりと様々なことを考えています。

日本に戻った後のことをいよいよ真剣に考え始め、だりぃ~、と言ったり。

体がぐったりと疲れることは減りましたが、頭は常にもんもんと動いていて、なかなか気が休まりません。

 

聴く音楽もすっかり落ち着いてしまい、最近はジャズやクラシックばかりを聴いています。

ジャズはジャズでもジャズボーカル。

Gregory Porter - Hey Laura
最近この方を知ったんですが、とても良い声をしています。
力強くて太い声でもあるんですが、その中に優しさがちゃんとこもっているような。
周りの楽器隊もお上手です。
 
そして、音楽だけでなく、読む本もちょっとした変化が。
頭が疲れ切っているのか、重たい小説はちょっと受け付けません。
ダンテの神曲、もうちょっとで終わるのに......
楽しみはとっておこう、ということで。
 
今日は帰りに、小川洋子さんのエッセイを読んでいました。
とにかく散歩いたしましょう

とにかく散歩いたしましょう

 

小川洋子さんは何年も前から読んできましたが、やっぱり他の作家さんにはないたまらない魅力があると思います。

小川さんの小説は、静かな雰囲気を作りつつ、その中で人間のエゴや欲望をゆっくりと浮かび上がらせるような作品が多いです。

どこも嘘くさくなくて。

 

その中でも僕のお気に入りは、

薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

 

 

人質の朗読会 (中公文庫)

人質の朗読会 (中公文庫)

 

 

海 (新潮文庫)

海 (新潮文庫)

 

薬指の標本

人質の朗読会

・海

でしょうか。

 

あ、ホテル・アイリスを忘れてた。

ホテル・アイリス (幻冬舎文庫)

ホテル・アイリス (幻冬舎文庫)

 

 

人質の朗読会は、プロット、漂う緊張感、文体、どれを取っても文句のつけようがないと思います。

あまり話題に上らない本ですが、小川さんの中で一冊だけ勧めるとしたら、この本を選ぶでしょう。

 

少し話が逸れましたが、

小川さんのエッセイをもくもくと読みながら、ふと我に返ると、いつの間にかすっかり心が落ち着いているのを感じました。

エッセイは本当に穏やかで、日々のちょっとしたことに小川さんらしい見方が寄り添い、何でもないことが秘密を秘めた特別なことのように見えてきます。

そして小川さんはこちらが申し訳なるほど謙虚で、

小説が全然書けない、と何度か仰っています。笑 嘘つけい~。

 

しかし思い返せば、芥川賞第百五十回を記念して出版された本に、小川さんがコメントを寄せていたんですが、

「書けば書くほど、小説が分からなくなってくる」

と、不思議なお言葉を残しています。

真剣に向き合えば向き合うほど、分からなくなるものなんでしょうか。

 

ちょっと落ち着かない日々を過ごしていますが、帰りのバスの中くらい、小川さんの本で心のバランスを取りながら、何とかやっていきたいと思います。