ワインは1日2 / 3本

勉強を人一倍頑張っている(と自負している)イタリア帰りの理系大学院生が、日々の勉強・読書・お酒について綴っています

だるい朝とモーパッサン [脂肪の塊/ロンドリ姉妹 モーパッサン傑作選]

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あまり口に出して言うのは好きじゃありませんが、今日はだるかったですね~。

体調が悪いとか、風邪引いたとか、そういったわけではないんですが、会社に着いたとき、ものすごくだるかったです。

まあ原因は明らかなんですけれど、

バスを40分以上待っていたからでしょうねえ...。笑

 

8時前に家を出て、会社に着いたのは9時過ぎ。

Google Mapsによると、うちから会社まで歩くと1時間で着くらしいです。

バスを使うよりも歩いた方が早く着くって面白いですよね。笑

 

こんな日に限って寒いんですよ。会社に着いてもしばらくは手が冷えたままでした。

 

木曜、金曜になると頭が回らないので、笑

今日はKindleで読んできた本の中から一冊紹介してみたいと思います。

 

 ででーん。脂肪の塊。

 

Kindle Unlimitedには大変お世話になっています。

4月~10月まで使っていなかったことを、ほんっっっっっとうに後悔しています。笑

その遅れを取り戻すように、毎日せっせと読書に励んでいます。

 

で、

以前も書いたように、Unlimitedで読める小説って限られているんですが、光文社古典新訳文庫だけ死ぬほどあるんですよ。笑

こてんしんやくかああああー、と思いながらダウンロードしましたが、一冊目からもう惹き込まれました。ドストエフスキーの白夜を読んで、「あ、こんなに普通に読めるんですね!」と。

それ以来、光文社様には頭が上がりません。

 

今まで手に取らなかったフランス文学に触れることで、大変充実した毎日を送っています。

バスを待つのも何ら苦じゃありません。嘘です。

 

で、その中で出会ったのが、このモーパッサンの「脂肪の塊/ロンドリ姉妹」です。

(最近、前置きがどんどん長くなっていますね。笑)

 

脂肪の塊は、普仏戦争をテーマにした作品です。

戦争が関係している、ということは読む前に知っていましたが、

タイトルと、戦争ということもあって、勝手に、

「戦争で倒れていく兵士たちは、生きていたものから脂肪の塊へと変わっていく」とか「所詮、脂肪の塊が、脂肪の塊を撃つだけである」とかそういったものを想像していたんですよ。

多分、櫻井忠温さんの日露戦争を題材にした「肉弾」と結びつけてたんだと思います。

 

内容は違いました。誰も撃たれず、誰も死なず、戦争の中を彷徨う人間模様が描かれた作品でした。

読んで頂くのが一番ですし、僕もあまりあらすじは書きたくないので、この小説を読んで、僕が何を思ったのか、を重点的に述べたいと思います。

 

小説の舞台は、100年以上も前のフランスです。

戦火から逃れるため、人びとは馬車に乗って遠くの地を目指すんですが、

混乱の真っただ中でもあったため、位の高い貴族と、職業も職業なだけにあまりそういった人びとと関わらない娼婦が、同じ馬車に乗り合わせることになりました。

そんな馬車はなかなか上手いこと進まず、ついにある家屋で足止めを食らうんですが......。

というところで止めておきます。上手く書ける自信もないので......。笑

 

僕が好きなのは、100年前も、そのずっと前も、そして今も、これからも変わらないであろう人間の姿を描いているところです。

貴族なんて今そうそういねえじゃねえかよ、と言う方もいるかと思いますが、

貴族を普通のサラリーマンにでも何にでも置き換えても、この物語は十分成り立つものだと思います。

 

誰もが実は、この小説の貴族たちと同じように、誰かのことを利用するだけ利用して、いらなくなればポイ、みたいなことをしているのではないか、と。

そして利用された側はとてつもない悲しみを背負って、

利用した側はその罪の意識を感じていない。

感じないどころか、そもそも悪いことをしたとは気付いておらず、

「みんなのために良い働きをしたんだ」とむしろ良い気分になっているんだと思います。

 

いや、勿論、

金持ちめ! とか、 政治家め! とか、

僕が言いたいことはそうじゃありませんよ。笑

誰もが自分で作りだした勝手な言い分にかこつけて、都合の良いように誰かを利用することがあるんじゃないか。

その裏で、もしかしたら、小説のラストで描かれる娼婦のように、〇〇している人がいるのでは......?

 

悪気のない人ほど怖いものはないんです......何でもできちゃいますからね、自分のために。

傍から見ると酷いことをしているけれど、当事者になってみれば、その罪に気付くことすらない。そういったものが描かれていると僕は思います。

 

と、まとまりもなく、色々言ってきましたが、感動するとともにゾッとするような小説でした。

もし自分がこの馬車に乗り合わせてたら、一体どの立場に落ち着くんだろう?

そう思うとちょっと怖くなります。死ぬほど面白いんですけれどね。

 

世界的名作でもありますので、教養のため、小説を純粋に味わうため、脂肪の塊というタイトルをより深く味わうためにも、是非読んでみてください。